ラッチングリレーと非ラッチングリレーの違いを理解する

著者 Nick Grillone, Applications Engineer, Same Sky

リレーは、産業、商業、民生用アプリケーションにわたって回路の信頼性の高い制御を可能にする、現代の電子システムの基礎的な部品であり続けています。HVACシステムやスマートインフラから産業オートメーションや電源管理に至るまで、リレーは負荷を切り替え、制御信号を分離するシンプルで効果的な方法を提供します。システム要件がより高い効率性と信頼性を目指して進化し続ける中、適切なリレータイプを選択することの重要性はますます高まっています。

非ラッチングリレーはコイルに電流が継続的に印加されている間だけ作動状態を維持しますが、ラッチングリレーは電源が切断された後もその状態を保持します。このように動作原理が異なるため、各リレータイプは特定のアプリケーションに適しています。それぞれのオプションをいつ、どのように使用するかを理解することで、エンジニアは設計の中で性能とエネルギー使用量の両方を最適化することができます。

どちらのリレータイプも、業界全体で重要な役割を担っており、Same Skyは幅広いリレーソリューションをサポートしています。この記事では、これらの主な違い、利点、限界、実用的な導入ガイドラインについてご紹介します。

リレーの基本:簡単な復習

リレータイプを比較する前に、電気機械式リレーの仕組みを改めて確認しておくと役立ちます。一般的なリレーには、以下の構成要素が含まれます。

  • 通電時に磁場を生成するコイル
  • 接点を開閉するために動作するアーマチュア
  • 非ラッチング設計でアーマチュアをデフォルト位置に戻すスプリング

接点構成はSPST(単極単投)、SPDT(単極双投)などさまざまで、回路設計に柔軟性をもたらします。リレーは機械的な動きに依存するため、スイッチングは瞬時に行われません。いくつかのタイミング特性が性能に影響します。

  • 動作時間:コイル通電から接点動作までの遅延時間
  • 復帰時間:電源が切断された後、デフォルト状態に戻るのに必要な時間
  • 接点バウンス:スイッチング時の急激で短時間の変動
  • 最小パルス幅:リレーを確実に作動させるために必要な最も短いパルス幅

これらのパラメータは、高速スイッチングシステムやラッチングリレーを使用する設計で特に重要になります。

非ラッチングリレーについて

単安定リレーとも呼ばれる非ラッチングリレーは、1つの安定した状態を持ち、作動を維持するために継続的なコイル電流に依存します。電源が切断されると、内部のスプリングによって接点が元の位置に戻ります。

この動作は、電源喪失時に既知の状態に戻らなければならない安全重視のシステムにとって、強力な選択肢となります。また、駆動回路が比較的シンプルでコスト効率が高いため、実装も容易です。しかし、コイルへの連続通電は消費電力を増加させます。時間が経つにつれて、コイルに熱が蓄積され、適切に管理されなければ寿命に影響する可能性があります。

画像:一般的な非ラッチングリレーの断面図1:一般的な非ラッチングリレーの断面。(画像提供:Same Sky)

ラッチングリレーについて

ラッチングリレー(双安定リレー)は、継続的な電力を必要とせずに、最後に切り替えた状態を保持します。これは、永久磁石または機械式ラッチを使用してアーマチュアを固定することで実現されています。状態を切り替えるには、短い電気パルスを使用します。

この設計は効率面で大きな利点があります。コイルへの通電は短時間であるため、待機時の消費電力は最小限に抑えられ、熱ストレスも軽減されます。ラッチングリレーは、停電時にも状態を維持することが極めて重要なアプリケーションにおいて、特に有用です。

とはいえ、これらの利点にはトレードオフが伴います。特に極性反転が必要なシングルコイル設計の場合、駆動回路はより複雑になります。さらに、永久磁石に依存する設計は、過電流や機械的衝撃による影響を受けやすく、信頼性の低下につながる可能性があります。

画像:一般的なラッチングリレーの断面図2:一般的なラッチングリレーの断面。(画像提供:Same Sky)

ラッチングリレーにはシングルコイルラッチング設計とダブルコイルラッチング設計があり、どちらも連続的な電源なしで状態を維持しますが、制御方法が異なります。

  • シングルコイル設計では、リレーのセットとリセットの両方に1つのコイルを使用します。状態を切り替えるには、印加電圧の極性を反転させる必要があります。
  • ダブルコイル設計では、セット用とリセット用の2つの別々のコイルを使用します。

ダブルコイルリレーは追加のピンとわずかに多くのスペースを必要としますが、極性反転が不要になるため、制御回路を簡素化できます。

ラッチングリレーと非ラッチングリレーの比較

表1は、2つのリレータイプの主な違いを簡単にまとめたものです。

機能 非ラッチングリレー ラッチングリレー
待機時のコイル消費電力 高くなる なし
電源喪失時の動作 デフォルト状態に戻る 最後の状態を保持
駆動回路の複雑さ シンプル より複雑
サイズ/コスト 一般的に小さく/低くなる 一般的に大きく/高くなる
代表的な用途 安全システム、基本制御 省エネルギーまたは状態保持システム

表1:一般的なリレー設計の主な違い。(画像提供:Same Sky)

信頼性の高いリレー統合のためのベストプラクティス

高品質のリレーであっても、長期的な信頼性を確保するためには適切な設計手法が必要です。入念な実装を行うことで、システムの性能と寿命を大幅に向上させることができます。

DCコイルを使用する非ラッチングリレーでは、コイルに並列にフライバックダイオードを追加することが不可欠です。これにより、非通電時に発生する電圧スパイクを抑制し、周囲の電子機器を保護することができます。突入電流の管理も重要です。特に、容量性負荷や磁化負荷を切り替える場合、ターンオン時に大きな電流サージが発生する可能性があるためです。

ラッチングリレーでは、作動パルスの正確な制御が重要です。シングルコイル設計では、専用ドライバICまたはHブリッジを使用することで、制御を簡素化し、安定した動作を保証することができます。パルスのタイミングは慎重に管理しなければなりません。短すぎるパルスはリレーを作動させることができない可能性があり、長すぎるパルスはエネルギーを浪費し、熱ストレスを増大させます。振動や衝撃にさらされるアプリケーションでは、意図しないスイッチングを防ぐために、追加の機械的配慮が必要になる場合があります。

一般的なベストプラクティスは、どちらのリレータイプにも適用されます。これには、接点負荷の軽減、適切な熱管理の確保、高湿度や埃の多い過酷な環境で動作する場合の密閉設計の選択などが含まれます。

アプリケーションに適したリレーの選択

ラッチングリレーと非ラッチングリレーの選択は、システム要件を理解することから始まります。主な考慮事項には、コイル電圧、利用可能な電流、接点定格、環境条件などがあります。部品がその最大限界で動作しないように、常に適切なディレーティングを適用する必要があります。

選択を簡単にするために、次のような質問を考えてみてください。

  • 電源喪失後、システムはデフォルト状態に戻る必要がありますか?非ラッチング
  • 電源遮断中もリレーはその状態を保持する必要がありますか?ラッチング
  • 待機電力を最小限に抑えることが重要ですか?ラッチング
  • シンプルな駆動回路が優先されますか?非ラッチング

まとめ

ラッチングリレーと非ラッチングリレーのどちらを選択するかは、効率、制御の複雑さ、アプリケーション要件のバランスを考慮する必要があります。非ラッチングリレーは簡単な操作と固有のフェイルセーフ動作を提供し、ラッチングリレーは消費電力の削減と状態の保持を実現します。

Same Skyのポートフォリオには両方のリレータイプが含まれており、エンジニアは幅広い設計ニーズに対応できる柔軟な選択肢を得ることができます。これには、低レベル電流スイッチング用の信号リレーと高レベル電流スイッチング用のパワーリレーが含まれます。

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著者について

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Nick Grillone, Applications Engineer, Same Sky

Nick Grillone brings over 10 years of customer support experience to the Same Sky's Applications Engineering team. His technical and application expertise is particularly focused on our diverse range of audio components, such as microphones and speakers, as well as our sensor technology offering. In his spare time, Nick enjoys all things outdoors with his partner and his dog, including backpacking, camping, cycling, and paddleboarding.