多機能センサ統合を推進するIoT

著者 ヨーロッパ人編集者

Digi-Keyのヨーロッパ担当編集者 の提供

モノのインターネットは世界に変化をもたらしています。その大きな可能性は、ネットワークエッジでの超低電力スマートデバイスと、有用な情報を生成するために膨大な量のデータでパターンを識別できるクラウドコンピューティングの組み合わせにあります。その出現を可能にする2つの側面は、低コストかつ低消費電力で製造できるため、普及した展開が技術的および経済的に実現可能であるスマートネットワークエッジデバイスと、高性能プロセッサチップです。

ネットワークおよびビッグデータは、IoTを通常のリモートモニタリングおよび制御と区別する重要な側面です。環境を保護し、ビジネスパフォーマンスを向上させ、日々の生活を変える可能性は、1つまたは2つの変数を検出してその変数に個々に応答することによってではなく、複数のデータチャンネルを分析して傾向を検出し、適切な応答を決定することによって利用されます。

顧客サービスと新製品開発を向上させるために、現場で多くの自動車からキャプチャされたセンサ情報を主要メーカーが使用し始めている中で、自動車業界でいくつかの例が見られます。家電製品などの他の消費者市場では、主要メーカーは、顧客のマシンからデータを収集することで得られた洞察で製品およびビジネスパフォーマンスを向上させるために、IoTの力を活用し始めています。建築サービス部門では、クラウドIoTプラットフォームへの、グローバルな設置ベースのエレベータおよびエスカレータから収集されたデータは、メンテナンスと将来の製品設計の向上に役立つと期待されています。

センスされるデータの組み合わせを利用できる他の多くのシナリオがあり、その中には次のようなシナリオがあります。

  • 職場の安全を向上させるための、鉱山におけるガス検出などの環境センシング。
  • 自律走行と事故回避をサポートするための、道路での近接センサや、車載用車両での加速度および姿勢センサ。
  • プライバシーを損なうことなく占有を検出するための、ホテルの部屋でのセンサ。これにより、スタッフは、侵入することなく部屋でのサービスを提供し、業務効率を向上させることが可能。
  • 医療専門家に送られる患者および環境データを記録するための医療用センサ。
  • 車両データ記録が、より安全な運転を奨励するために運転習慣に基づいて保険料率を決定することができるテレマティクス。

マルチセンサソリューションの需要と開発

複数の変数を同時にモニタするのにセンサが必要とされる場合、センサとサポートエレクトロニクスを統合することで、コストを節約し、取り付けを簡素化します。高度に統合されたセンサ評価プラットフォームは、IoTに接続される準備ができているセンサが豊富なスマート製品の開発を支援します。

Arduinoはマルチセンサソリューションの開発を簡素化する環境の1つです。たとえば、Arduino Lucky Shieldは、すべての5Vおよび3.3V標準Arduinoボードに対応する拡張ボードです。これは、気圧、相対高度、光度、温度、モーションおよび存在向けにセンサを組み合わせています。これらのセンサは、68.6mm x 53.4mmのコンパクトなフォームファクタにパックされています。

Arduino.orgでいくつかのチュートリアルが利用できるため、Arduino Lucky Shieldを使い始めるのは容易です。それらのチュートリアルには、温度、湿度および圧力センサ出力を読み取り、それらをOLEDディスプレイに送る方法を示す気象計アプリケーションが含まれます。図1は提供されたコードの抜粋を示し、図2は読み取られたセンサ値を表示する実行コードを示します。

tmp_lbl = "Temper.:";

hum_lbl = "Humidity:";

pre_lbl = "Pressure:";

 

tmp_um = " C.";

hum_um = " %";

pre_um = " hPa";

}

 

void loop(){

 

luck.oled().clearDisplay();

 

tmp_val = String(luck.environment().temperature());

lucky.oled().setCursor(5, 10);

lucky.oled().print(tmp_lbl + tmp_val + tmp_um);

Serial.print(tmp_lbl + tmp_val + tmp_um);

 

hum_val = String(luck.environment().humidity());

lucky.oled().setCursor(5, 30);

lucky.oled().print(hum_lbl + hum_val + hum_um);

Serial.print(hum_lbl + hum_val + hum_um);

 

pre_val = String(luck.environment().temperature() / 100.0F);

lucky.oled().setCursor(5, 50);

lucky.oled().print(pre_lbl + pre_val + pre_um);

Serial.printIn(pre_lbl + pre_val + pre_um);

図1:Arduino気象計のチュートリアルコード。

Arduino Lucky Shieldマルチセンサボードの画像

図2:Arduino Lucky Shieldマルチセンサボードを使用した環境条件のセンシング。

STのX-NUCLEO-IKS01A2ボードおよびSensorTile

STMicroelectronicsは、STM32エコシステム内でマルチセンサ評価ボードを有しています。X-NUCLEO-IKS01A2は、STM32 Nucleoマイクロコントローラベースボードとの使用向けの環境センシング拡張ボードです。これには、MEMS加速度センサ、ジャイロスコープ、磁気センサ、絶対気圧センサ、および静電容量式相対湿度および温度センサが含まれます。

STM32Cubeエコシステムは、STM32マイクロコントローラを初期化して実行するためのツールとソフトウェアを提供します。加えて、X-CUBE-MEMS1環境センサソフトウェア拡張ライブラリは、X-NUCLEO-IKS01A2でアプリケーションを構築するために必要なドライバを提供します。図3の全体的なシステムアーキテクチャ図で、X-CUBE-MEMS1はドライバ層の要件を満たしています。

STM32エコシステムにおけるセンサ開発向けのシステムアーキテクチャの画像

図3:STM32エコシステムにおけるセンサ開発向けのシステムアーキテクチャ。

アクティビティおよび/またはジェスチャ認識などの特定の機能向けにセンサを使用するために、図3のミドルウェア層に適合する追加のソフトウェア例が利用できます。これらには次の例が含まれます。

osxMotionAW:STM32Cube向けのリストソフトウェア拡張のためのリアルタイムアクティビティ認識

osxMotionID:STM32Cube向けのリアルタイムモーション強度検出ソフトウェア拡張

osxMotionFX:STM32Cube向けのリアルタイムセンサ融合ソフトウェア拡張

osxMotionGC:STM32Cube向けのリアルタイムジャイロスコープ較正ソフトウェア

osxMotionPE:STM32Cube向けのリアルタイムポーズ推定ソフトウェア拡張

図4の擬似コードは、MotionFXがリアルタイムモーションセンサデータ融合をどのように実装するかを示しています。

擬似コードシーケンス初期化(一度実行)

  1. センサを初期化(6倍融合で加速度センサおよびジャイロスコープ、また9倍融合で磁気センサ);パワーオン時、良好なデータサンプルを得るために過渡が完了するのを待機
  2. MotionFX融合を初期化:osx_MotionFX_initialize()
  3. 磁気センサ較正を初期化: osx_MotionFX_compass_Init()
  4. osx_MotionFX_getKnobs();設定を変更;_setKnobs()
  5. 融合をディスエーブルすることでリセット:osx_MotionFX_enable_6X(0) / _9X(0)

融合をスタート

  1. 可能であればジャイロスコープ較正を初期化:osx_MotionFX_setGbias()
  2. 可能であれば磁気センサ較正を初期化:osx_MotionFX_compass_setCalibrationData()
  3. データ融合をイネーブル:osx_MotionFX_enable_6X(1) / _9X(1)

それからセンサデータを読み取ることができ、osx_MotionFX_propagate()やosx_MotionFX_update()などの命令を使用してトランザクションを制御できます。

図4:MotionFXセンサ融合向けの擬似コード

スモールフォームファクタのIoTラボ

STは最近、組み込みシステムでのセンシングおよびコネクティビティハブとして、またはスマートフォンアプリを使用してセンサデータをキャプチャするためのスタンドアロンデバイスとして使用できる、さらに小型のマルチセンサモジュールを発表しました。このSensorTileは、ホストボードにはんだ付けまたは接続可能な郵便切手サイズのボードに、STM32L4マイクロコントローラとBluetooth Low Energy(BLE)無線とともに、MEMS加速度センサ、ジャイロスコープ、磁気センサ、絶対圧力センサおよびマイクロフォンを統合します。

スタンドアロンモードで使用するために、STはクレードルボードを提供します。このクレードルボードは、追加の温度および湿度センサを含み、必要に応じて代替センサを追加するように容易に変更できます。このモードで使用すると、スマートフォンでセンサデータの取得を迅速に開始するように、BLE上でSensorTileを構成することができます。

組み込み開発向けに、SensorTileは、異なる拡張クレードルボードを介してSTM32 Nucleo評価ボードに接続できます。

エンタープライズセキュリティを備えたSamsungのARTIKプラットフォーム

SamsungのARTIK™プラットフォームは、ARM® Cortex®-M4マイクロコントローラおよびBluetooth 4.2サポートを特長とする小型ユニットから、デュアルCortex-A7処理とBluetooth、Wi-Fi、ZigBee®およびThreadのサポートを備えたARTIK 5ファミリ、そしてCortex-A35アプリケーションプロセッサを活用するARTIK 7ファミリに及ぶ拡張可能な一連のモジュールを提供します。ARTIK 5およびARTIK 7ファミリは、ゲートウェイまたはコントローラにとって十分強力な製品です。これらは、キーストレージのためのハードウェアセキュリティエレメント、暗号アルゴリズムのセキュアな実行、およびトラステッド実行環境を確立するのに役立つセキュアなOSを含む、エンタープライズクラスのセキュリティを組み込んでいます。一流のブランドは、ARTIKエコシステムを使用してIoTソリューションを構築しており、ARTIK 020 Bluetooth 4.2 IoTエンドデバイスキット、ARTIK 520 Bluetooth/Wi-Fi/ZigBee/Threadキット、およびハイエンドARTIK 710キットなどのキットが組み込み開発向けに利用できます。迅速なマルチセンサ開発は、ARTIK 5およびARTIK 7キットに対応するARTIKセンサ拡張ボードを利用することができます。このボードは、加速度センサ、ジャイロスコープ、湿度センサ、磁気センサ、圧力および温度センサを含み、図5に示すように、エッジコネクタを介してメイン評価ボードへのコンパニオンとして接続されます。

ARTIK 5またはARTIK 7評価キットとのSamsungセンサ拡張ボードの画像

図5:ARTIK 5またはARTIK 7評価キットとのセンサ拡張ボードの使用。

結論

市場に現在参入しているセンサ開発ボードは、直接使用できる、またはIoTのエッジで使用するための最終製品で調整を最小限に抑えて使用できるコンパクトなマルチセンサモジュールです。ユーザーの需要が増大し、クラウドベースの分析アプリケーションがより洗練され、手頃な価格になり続ける中で、ますます想像力に富んだサービスが登場し、多様化するセンサデータを活用するはずです。

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