パワースイッチ向けの抵抗器-コンデンサ(RC)スナバ設計

著者 Fairchild Semiconductor

Digi-Key Electronics の提供


パワースイッチは、すべてのパワーコンバータの中核を成しています。 その動作により、製品の信頼性および効率が直接的に決定されます。 パワーコンバータのスイッチング回路性能を高めるために、スナバは、パワースイッチにわたって配置され、スイッチのオープン時に電圧スパイクを抑え、回路インダクタンスによって引き起こされるリンギングを減衰します。 スナバを適切に設計すると、信頼性と効率を高め、EMIを低減することができます。 多くの異なるスナバの種類の中で、抵抗器-コンデンサ(RC)スナバは最も人気のあるスナバ回路です。 この記事は、パワースイッチ向けにスナバが必要とされる理由を説明します。 最適なスナバ設計の実用的なヒントもいくつか提供します。

4つの基本的なパワースイッチング回路の画像

図1:4つの基本的なパワースイッチング回路。

パワーコンバータ、モータドライバおよびランプバラストで使用される多くの異なるトポロジがあります。 図1は、4つの基本的なパワースイッチング回路を示しています。 これら4つのすべての基本的な回路内で、そしてほとんどのパワースイッチング回路において、同じスイッチ-ダイオード-インダクタネットワークが青色の線内で示されています。 このネットワークの動作は、すべてのこれらの回路で同じです。 したがって、図2で示す簡略化した回路は、スイッチング過渡中のパワースイッチのスイッチング性能解析に使用することができます。 インダクタでの電流は、スイッチング過渡中にほとんど変更しないため、インダクタは、図で示す電流源で置き換えられます。 図2はまた、回路の理想的な電圧および電流スイッチング波形を示しています。

簡略化したパワースイッチング回路の画像

図2:簡略化したパワースイッチング回路およびその理想的なスイッチング波形。

MOSFETスイッチがターンオフすると、スイッチにわたる電圧が上昇します。 しかし、スイッチの電圧がVolに達するまで、電流ILはMOSFETを通じて流れ続けます。 ダイオードがターンオンすると、電流ILは低下し始めます。 MOSFETスイッチがターンオンすると、図に示すように状況が逆になります。 このタイプのスイッチングは「ハードスイッチング」と呼ばれます。 最大電圧および最大電流は、スイッチング過渡中に同時にサポートされる必要があります。 したがって、この「ハードスイッチング」は、MOSFETスイッチを高ストレスにさらすことになります。

MOSFETスイッチターンオフ過渡での電圧オーバーシュートの画像

図3:MOSFETスイッチターンオフ過渡での電圧オーバーシュート。

実際の回路では、図4で示す寄生インダクタンス(Lp)および寄生容量(Cp)により、スイッチングストレスはずっと高くなります。 Cpには、スイッチの出力容量と、PCBレイアウトおよび実装による浮遊容量が含まれます。 Lpには、PCBルートの寄生インダクタンスとMOSFETリードインダクタンスが含まれます。 パワーデバイスからのこれらの寄生インダクタンスおよび容量は、ターンオフ過渡の直後に共振するフィルタを形成するため、図3で示すように、デバイスに対して過度な電圧リンギングをスーパーインポーズします。 図4で示すように、ピーク電圧を抑えるため、標準のRCスナバがスイッチにわたって適用されます。 抵抗器の値は、抵抗器が減衰することを意図する寄生共振のインピーダンスに近い値となる必要があります。 スナバ容量は、共振回路容量よりも大きい必要がありますが、抵抗器の消費電力を最小限に抑えるために十分小さい必要があります。

抵抗器-コンデンサスナバ構成の画像

図4:抵抗器-コンデンサスナバ構成。

消費電力が重要ではない場合、RCスナバを迅速に設計するアプローチがあります。 実験的に、スイッチの出力容量および推定実装容量の合計の2倍の値と等しいスナバコンデンサCsnubを選択します。 式1となるように、スナバ抵抗器Rsnubが選択されます。 特定のスイッチング周波数(fs)でのRsnubにおける消費電力は、次の式により推定することができます。

式2

このシンプルで実験的な設計がピーク電圧を十分に制限しない時、最適化手順が適用されます。

最適化されたRCスナバ:消費電力が重要な場合、より最適な設計アプローチを使用する必要があります。 初めに、スイッチのターンオフ時のMOSFETスイッチノード(SW)でのリンギング周波数(Fring)を測定します。 MOSFETにわたって、フィルム型100pF低ESRコンデンサをはんだ付けします。 リンギング周波数が元の測定値の半分になるまで、容量を増加します。 ここで、スイッチの総出力容量(追加された容量と元の寄生容量)は、回路のインダクタンスと容量の積の平方根にリンギング周波数が反比例するため、4倍増加します。 したがって、寄生容量Cpは、外部的に追加されたコンデンサ値の3分の1になります。 ここで、寄生インダクタンスLpの値は、次の式を使用して得ることができます。

式3

寄生インダクタンスLpの値と寄生容量Cpの値が得られたら、スナバ抵抗器RsnubとコンデンサCsnubを、下記の式に基づいて選択することができます。

式4

式5

スナバ抵抗器は、不十分な場合、リンギングを低減するためにさらに微調整できます。

特定のスイッチング周波数(fs)でのRsnubにおける消費電力は、式6です。

計算で得られたすべての値を使用すれば、電源スイッチスナバの設計が完了し、アプリケーションに実装することができます。

免責条項:このウェブサイト上で、さまざまな著者および/またはフォーラム参加者によって表明された意見、信念や視点は、Digi-Key Electronicsの意見、信念および視点またはDigi-Key Electronicsの公式な方針を必ずしも反映するものではありません。

著者について

Fairchild Semiconductor

Fairchild Semiconductorは、エネルギー効率の高いパワーアナログおよびパワーディスクリートソリューションを提供する世界的なリーダー企業です。 Fairchildは、The Power Franchise®として、民生、通信、産業、ポータブル、コンピューティングおよび車載用システム向けの最先端のシリコンおよびパッケージング技術、優れた製造能力やシステム上の専門知識を提供します。

出版者について

Digi-Key Electronics

ミネソタ州シーフリバーフォールズに拠点を置くDigi-Key Electronicsは、試作および設計段階、量産段階のいずれにおいても、電子部品を卓越したサービスとともにグローバルに提供し、Digi-Keyでは、750社以上の一流メーカーから提供される600万点以上の製品を取り扱っている。