リレー入門
2023-10-31
リレーは、数え切れないほどの民生用、商業用、産業用のアプリケーションやシステムで重要な役割を果たしています。リレーは日常的なシステムでよく使用されていますが、意識されることはありません。たとえば、家庭用ファーネスを調節したり、テレビのリモコンをクリックしたり、エレベーターを操作したりするときに使用されます。元々、リレーは1835年に長距離電信接続を確立するために考案され、その後は電話交換機に応用されました。現在も、高信頼性と高効率を維持しながら、目立たないところで活躍し続けています。
実用的な観点から言えば、リレーは電気的なスイッチとして機能します。近距離か遠距離かに関わらず、低電力信号を使用して高電力回路を制御しています。その固有の設計は、低電力信号と高電力回路の間の効果的な絶縁(多くの場合、ガルバニック絶縁と呼ばれる)を促します。この絶縁により、ユーザー用の電気システムの安全で確実な操作が保証されます。リレーは、単一の回路または複数の回路を調整するために使用でき、増幅器または回路遮断器の役割も果たせるなど、幅広い用途に使用できます。
デバイスの電源を遠隔制御することもできるため、特にオペレータに物理的な危険をもたらす可能性のある産業プロセスにおいて、安全対策の強化にもつながります。この多用途デバイスは、多様な電流容量、実装オプション、物理的フットプリントを提供する広範なパッケージで入手でき、日常的にさまざまな場所で使用されるスイッチと同様に広く普及しています。
リレーの機能について
リレーについての理解を深めるために、まず、リレーは電気機械式(EMR)とソリッドステート式(SSR)の2つの基本タイプに分類できます。重要な違いは、可動部品の有無にあります。
この2つのタイプのうち古いのは電気機械式で、接点、アーマチュア、スプリング、電磁石で構成されています。最も基本的な動作では、スプリングがアーマチュアの位置を保持します。電流が印加されると、電磁石がアーマチュアを引き寄せます。それによりアーマチュアが動いて接点を閉じ、回路に電流を流すことができます。
図1:電気機械式リレーの基本的な内部構造の図。(画像提供:Same Sky)
一方、1950年代後半に登場したソリッドステートリレーは、電気機械式リレーと基本的な目的は同じでも、可動部品を持たない完全な電子リレーです。リレーには入力回路、制御回路、出力回路が含まれ、電流を調整します。指定されたピックアップ電圧を超える電圧が印加されると、制御回路がリレーをトリガします。電圧がドロップアウト電圧を下回ると、リレーはオフになります。
電気機械式リレーとソリッドステートリレーの比較(続き)
他の電子部品技術と同様に、電気機械式リレーとソリッドステートリレーにはそれぞれ、考慮すべき明確な長所と短所があります。
電気機械式リレーは2世紀前に設計されたこともあり、操作が簡単かつ堅牢なデバイスです。高電流や危険な環境を含むさまざまな用途で信頼性を発揮します。電気的に完全に絶縁され、高電流や電圧サージに耐え、電磁干渉や無線周波数干渉(EMI/RFI)などの電気ノイズに影響されません。
とはいえ、電気機械式リレーには可動部品があるため、時間の経過とともに物理的な劣化が生じ、腐食や酸化によって接点が劣化することがあります。接点アーク放電の影響を受けやすく、孔食や短絡を引き起こす可能性があります。機械的な性質上、衝撃や振動による接点バウンスに弱く、EMI/RFIノイズを発生させる可能性があります。さらに、外部磁場によって動作に影響が及ぶ可能性もあります。
対照的に、ソリッドステートリレーは、可動部品がない設計のため、制御電力を大幅に抑えて長い動作寿命と機能を実現します。オン/オフのサイクルが速く、アーク放電や接点バウンスがなく、外部からの機械的衝撃、振動、磁場の影響を受けません。ソリッドステートリレーは、電気機械式リレーよりも低い電圧範囲で動作するため、電子デバイスには適していますが高電力用途にはあまり適していません。
ただし、ソリッドステートリレーはその独自の設計により、電圧や電流の過渡現象やEMI/RFIノイズの影響を受けやすい場合があります。一般的に、機械式に比べて発熱しやすく、周囲温度の影響を受けやすい場合があります。注目すべき点は、絶縁です。制御信号と負荷間の完全な電気的絶縁を達成するのは、標準的な半導体スイッチでは本質的に不可能です。しかし、入力信号と出力信号を絶縁する光結合デバイスの光エレクトロニクス部品を使用すると、これが可能になります。
図2:ソリッドステートリレーの基本的な内部回路図。(画像提供:Same Sky)
一般的なリレータイプ
リレータイプは多種多様で、それぞれが特定のアプリケーション要件に対応するよう調整されています。各メーカーが自社の製品に使用する用語が若干異なることは留意すべきですが、ここでは主なリレーの種類を一般的な概要として以下のようにまとめました。
- 汎用:12~230ボルトの範囲のACまたはDC電流で動作し、2~30アンペアの電流を制御できる一般的な電気機械式リレーを指します。
- 信号:信号リレーは、通常2アンペア未満の低電力負荷を制御するために使用されます。詳細については、Same Sky提供の記事「信号リレーの基礎」を参照してください。
- パワー:パワーリレーは、特に高電力負荷を管理するように設計されており、発熱を最小限に抑え、アーク放電を低減します。詳細については、Same Skyの記事「An Introduction to Power Relays」を参照してください。
- 機械制御:大規模な産業アプリケーションでの使用を目的とした頑丈なリレーです。
- ラッチング:ラッチングリレーは、反転電圧信号を受け取るまで、セット状態またはリセット状態(オンまたはオフ)を維持します。
- リード:リードリレーはコンパクトで迅速に動作します。電磁石を使用して1つまたは複数の気密封止(ハーメチックシール)リードスイッチを制御するため、外部の汚染物質や湿気に対する耐性を備えています。
- ゼロスイッチング:ゼロスイッチングリレーは、制御電圧が印加され、負荷電圧がゼロに近づくと負荷をオンにします。制御電圧が取り除かれると負荷をオフにします。
図3:リレーによるゼロスイッチングの基本原理の図。(画像提供:Same Sky)
- ピークスイッチング:ピークスイッチングリレーは、制御電圧が印加され、負荷電圧がピークに達すると負荷をオンにします。制御電圧が取り除かれ、現在の負荷がゼロに近づくと、負荷をオフにします。
- インスタントON:インスタントONリレーは、ピックアップ電圧が印加されると迅速に負荷をオンにします。
- 時間遅延:時間遅延リレーは、時間に基づいてイベントを制御するタイマを内蔵しています。
- アナログスイッチング:アナログスイッチングリレーは、出力電圧を入力電圧の関数として管理し、リレーの定格内で無限の出力電圧を可能にします。
- 光結合:内部の光源に反応してスイッチングすることで、制御回路と電源回路を分離するソリッドステートリレーです。
- 軍用/Hi-Rel(高信頼性):要求の厳しい過酷な環境で動作するように特別に設計されたリレーです。
リレーはさらに、接点が開いていて回路に通電していないノーマリオープン(NO)と、回路に通電していないときに接点が閉じているノーマリクローズ(NC)に分類できます。要約すると、リレーは通常、無通電時にNOまたはNCとして指定されます。
定格と構成
リレーの定格は、デバイスを通して電力を安全に切り替える能力に基づきます。定格はACまたはDCに分類され、通常アンペア数で表されます。この定格は、制御するデバイスと同等以上であることが重要です。
リレーには複数の回路を同時に制御する機能があり、指定された表現で具体的な特性を示すことができます。ポールとスローの十分な知識を前提とし、リレーの指定表現にはSPST、DPDT、3PDT、SP3Tが含まれます。
極数や投数に加え、リレーは「フォーム」という用語で重要な特性を表すことができます。「1フォームA」や「2フォームC」のようなフレーズは、2つの重要な情報を強調しています。フォームタイプは、スイッチがノーマリオープンかノーマリクローズかを示し、SPDTスイッチの場合は、「ブレイクビフォアメイク」または「メイクビフォアブレイク」のどちらかを示します。フォームの前の数字(1または2)は、リレー内でそのスタイルの接点をいくつ利用できるかを示します。一般的なスタイルには以下のようなものがあります。
- フォームA - ノーマリオープン
- フォームB - ノーマリクローズ
- フォームC - ブレイクビフォアメイクSPDTスイッチ
- フォームD - メイクビフォアブレイクSPDTスイッチ
まとめ
リレーはそのシンプルな設計と信頼性の高い動作から、幅広い業界や市場でデバイスやシステムに使用されています。電信システムの基本部品として誕生し、コンピュータの初期開発にも貢献したリレーは、現在も重要な役割を担っており、遠隔地から電動デバイスを安全かつ効率的に制御しています。
低レベルまたは高レベルの電流スイッチングに対するエンジニアの要件を満たすため、Same Skyは、さまざまな定格と構成を備えたパワーおよび信号リレーを包括的に取り揃えています。
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