DPST トグルスイッチ

トグルスイッチとは電気スイッチの一種であり、レバー、ハンドルなど、特定のポジション間を行き来する「トグル」によって手動で操作します。押ボタンやロータリースイッチとは異なり、トグルスイッチは、触覚的な「スナップ」動作を提供し、現在の状態（オンかオフか）を視覚的に明示します。こうした機械的な動作により、トグルスイッチは、産業用制御パネル、自動車のダッシュボード、航空宇宙システム、家庭用電化製品、さらにはDIY電子機器など、明確なフィードバックや信頼性の高い操作が重要となるアプリケーションで特に人気を集めています。

トグルスイッチの特長は、そのシンプルさ、耐久性、構成の幅広さにあります。トグルスイッチには、単極単投（SPST）や両極両投（DPDT）など、様々な回路のニーズに合わせて複数の極と投のオプションが用意されています。例えば、SPSTトグルは単に回路をオン/オフするだけですが、DPDTトグルは2つの回路を制御したり、極性を逆にしたりすることができます。多極または多投スイッチでは配線が重要であり、配線を誤ると回路が不適切に機能する可能性があるため、特定のモデルの配線図またはデータシートを参照することが不可欠です。トグルスイッチは、タッチセンシティブやメンブレンスイッチに比べると古臭く見えるかもしれませんが、その触覚的な制御と機械的な耐久性により、信頼性の高い選択肢として人気を維持し続けています。

トグルスイッチを選択する際は、電気定格（電圧と電流）、極数と投数、実装スタイル（パネル実装、PCB実装）、アクチュエータスタイル、モーメンタリ動作、湿気やほこりに対する密閉性（IP定格）、照明などの機能が必要かどうかを考慮しましょう。