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Analog Device社のMeasureWare Platformの概要

Analog Devices社は、測定システム開発の簡素化と、環境センシングにおける最小限の経験でシステムの道筋をつけることを目指して、MeasureWareと名付けた、ハードウェアとソフトウェアツールの新しいスイートをリリースしました。直感的で簡単な一連のステップによって設計者を導くことで、設計者はこのプラットフォームを使用して設計を立ち上げ、より少ないコストで迅速に実行することが可能になります。MeasureWareにはいくつかのビルディングブロックがあります。一つずつ、順番に見ていきましょう。

(画像提供:Analog Devices Inc

エコシステムを探る

ソフトウェアから始まりハードウェアに至るまで、これらのツールが提供すべき価値を私たちははっきりと見定めています。

MeasureWare Studio

これ自体はツールではなく、ツールの集合体というべきものです。これにより、ユーザーは要件を指定して、設計を作成し、設計の実装から測定データを収集し、開発キットのプロトタイプから最終製品に移行できるようになります。

MeasureWare Designer

開発者の第1歩は、MeasureWare Designerを起動して自身のmyAnalogアカウントで(お持ちでない場合はまず作成してから)サインインすることです。その時点から、新しい設計を作成して、測定する対象を決定することができます。現在選択できる測定対象は次のとおりです。

  • 温度
  • 重量
  • 湿度
  • 二酸化炭素濃度
  • 圧力
  • 加速度
  • pH
  • 湿気
  • カスタム

それぞれの選択肢では、アプリケーションの要件に基づく基本的なパラメータ(すなわち測定の精度、レート、範囲)を定義する必要があります。その後、[Validate Measurements]ボタンをクリックすると、ユーザーの入力に基づいて適切なセンサが選択されます。使用可能なオプションの一覧から任意でセンサを選択することもできます。

設計が完了すると、必要なすべてのハードウェアコンポーネントは、Digi-Key Electronicsで簡単に注文できるようにカートに入れられます。

MeasureWare Lab

ハードウェアが手元に届くのを待っている間に、MeasureWare Labをコンピュータにインストールしておきましょう。また、プロンプトが表示されたらmyAnalogアカウントにサインインすることで、作成した設計にアプリケーションからアクセスできるようになります。ハードウェアが到着した後は、MeasureWare Labを使用すれば、すべてが適切に接続され、デバイスのファームウェアが最新のものに更新される手助けになります。すべてが正確に実行されると、測定データをリアルタイムで表示して、分析のために保存するダッシュボードが表示されます。この段階で、MeasureWare Designerに戻って設計ファイルへの変更を行うことができます。この変更は、MeasureWare Labに同期されます。

MeasureWare Labのようなフル装備ではありませんが、MeasureWareの携帯アプリで、Swift Platformを使った開発やBLE接続でデータのリモート表示が可能になります。

(画像提供:Analog Devices Inc)

MeasureWare Developer

開発キットの先を行きたい上級者であれば、Cで記述されたAPIであるMeasureWare Developerを選択したマイクロコントローラで使用して、MeasureWareモジュールと直接インターフェース接続できます。これから始めるユーザーのためにプロジェクトのサンプルが用意されています(現在はMbedでのみですが、Analog Devices社はRaspberry PiArduinoのためのプロジェクトを準備しているようです。プロトタイプや小容量のアプリケーションの場合、MeasureWare Labをデバイスのプログラミングに使用できます。

MeasureWare 1001ファミリ

ADMW1001

このシリーズの要はADMW1001 Measurement Moduleです。このモジュールには、(アナログとデジタル両方の)さまざまなセンサに起動信号を送り、そのセンサを測定し補正するのに必要な機能がすべて含まれています。これには、ルックアップテーブル、高精度のADC、高精度の基準電圧、PGAアンプ、デジタルフィルタなどが含まれます。さらにこのモジュールは、°C、°F、psiなど使い慣れた理解しやすい単位で測定データを出力します。このモジュールを活用するキットで現在利用できるのは、ADMW1001 Pro PlatformとADMW1001 Swift Platform(2020年に発売予定)の2つです。

(画像提供:Analog Devices Inc)

ADMW1001 Pro Platform

EV-PROMW1001ARDZボードを含むこのプラットフォームは、 組み込みプロトタイプに使用するのにふさわしいキットです。Arduinoヘッダは、豊富に取り揃えられた組み込みプラットフォーム(現在はST社NUCLEO-F411REボードが推奨されています)や、BLEまたはセルラーなどの接続オプションとの通信を容易にします。このキットには、任意の組み合わせのMeasureWareセンサボードが活用する5つのセンサ入力チャンネル(アナログ2つ、デジタル3つ)が含まれています。

ADMW1001 Swift Platform

Pro Platformよりもさらに完成に近づきました。開発者は、このプラグアンドプレイの監視キットを使用することで即戦力となりえます。見た目の良いケース、充電式電池、microSDカードスロットが特長です。BLE接続機能も備えているため、このキットをMeasureWareの携帯アプリと使用して、測定データをワイヤレスで表示できます。言うまでもなく、Pro Platformと同様に、MeasureWare Labを使用してSwift Platformともやり取りできます。この機能すべてに加えて、このキットには2つのアナログセンサチャンネルと2つのデジタルセンサチャンネルが備わっているので、MeasureWareのドーターボードを使って監視できます。

(画像提供:Analog Devices Inc)

全体像

ここで最も重要なのは、簡潔であることです。開発者がすべきことは、測定する対象と、その測定結果が示すものをどのように表示すべきかを決めることです。MeasureWare Designerによって適切なハードウェアが選択され、MeasureWare Labによってそのハードウェアからの測定結果が取得され、プロトタイプのプロセスが加速します。ホストプラットフォームとIDEのどちらが推奨されていても、そのどちらともMeasureWare Developerによって展開が可能となります。アプリケーションに関わらず、開発者はMeasureWare 1001ファミリを活用して、最小限の労力で、柔軟で信頼性とコスト効率の高い結果を得ることができます。

(画像提供:Analog Devices Inc)

著者について

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Matt Mielke(マット・ミールケ)は、2016年にサウスダコタ鉱山技術大学でコンピュータ工学の理学士号を取得しています。その後、Digi-Key Electronicsに入社し、アプリケーションエンジニアリング部門でリファレンス設計の開発と技術コンテンツの作成を通じてお客様をサポートしています。彼は、低レベル組み込みプログラミング、低電力設計、デジタル信号処理などの分野に関心を持っています。

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