JPY | USD

ワイヤレス充電ICは、ウェアラブル向けに標準ベースのソリューションを提供

著者 Stephen Evanczuk

Electronic Products の提供


ワイヤレス技術は、設計上のまたは美的な理由で充電ポートがないウェアラブルで電池を充電するための便利な方法を提供することができます。 かつては、ワイヤレス充電方法を利用するには、カスタムRF設計および電磁誘導理論での専門知識が必要でした。 しかし、今日、設計者は、Freescale SemiconductorTDKTexas Instruments、およびToshibaなどのメーカーから入手可能な標準部品を使用して、低電力ウェアラブル設計でワイヤレス誘導充電を実装することができます。

ワイヤレス電力は、マイケル・ファラデーが、導体での電磁力を磁界がいかに誘導できるかを述べた19世紀初めに端を発します。 同世紀の終わりまでに、ニコラ・テスラが、誘導に関するファラデーの法則を実行に移し、ニューヨーク市の研究室でワイヤレスで電灯を灯すために共振誘導結合の使用を実証しました。 今日、電磁誘導の原理は、RFIDタグ、非接触スマートカード、および料理レンジといった多様な製品をすでに駆動しており、歯ブラシ、スマートフォン向けのワイヤレス充電器や、Apple Watchを含む新しいクラスのウェアラブルの基礎としての役割を果たしています。

確かに、ワイヤレス充電は、充電ポートが不便で大きすぎるか、または単に外観が好ましくない場合のウェアラブル向けに魅力的なソリューションを提供します。 さらに、有線充電ポートを排除することで、ウェアラブル製品の設計者は、汚染や水害の一般的な源を排除して、全体の製品信頼性を高めることができます。 充電ポートの代わりに、これらのデバイスは、ウェアラブル製品の表面下に安全に埋め込まれた電力受信コイルを使用することができます。

電気力学的誘導において、コイルに電流を適用すると、コイルの近くに適切に配置された2次コイルで電流を誘導する磁界が生じます。 実際に、2つのコイル間の位置合わせおよび距離は、高効率を達成するのに重要です。 民生用アプリケーションにおいて、正確な位置決めを必要とするワイヤレス充電の実装は一般的に、ベースユニット上で必要な位置にモバイルユニットをユーザーが適切に位置合わせするのに役立つガイドを提供します。 対照的に、いわゆる位置決めフリーワイヤレス充電器は一般的に、ベースステーションに構築された複数のコイルを使用し、リモートユニットからのフィードバックに応答して適切なコイルを励磁します。

通信チャンネル

通信は、ガイドされた位置決めとフリーの位置決めの両方のワイヤレス充電システムで主要な役割を果たします。 トランスミッタ動作中に、レシーバは、レシーバアンテナで負荷を変調することで、トランスミッタにデータパケットを返送します。 次に、トランスミッタは、データパケットを再構成するために、反映された負荷を復調します(図1)。

一般的なワイヤレス充電システムの画像

図1:一般的なワイヤレス充電システムは、電力伝達および通信向けに電磁結合原理を使用する電力伝送ベースステーションおよび電力受信レシーバから構成されます。 (Freescale Semiconductorの提供)

ワイヤレス充電システムの両方のタイプは、トランスミッタ電力を管理するために、レシーバからのデータを使用します。 動作中に、トランスミッタユニットは、トランスミッタコイルへの電力を必要に応じて増加または低下させるために、レシーバからのエラーデータに応答します。 フリー位置決めシステムは、この同じ一般的アプローチを使用して、リモートに対してコイルの最適な位置を選択します。

設計者は、制御信号のためだけでなく、トランスミッタにアプリケーションデータを返送するためにも、この通信経路を使用することができます。 情報の帯域幅は限られていますが、デバイス認証、デバイス状態、およびリモートデバイスが収集したセンサデータの通信などの目的に十分である可能性があります。

パワーレギュレーション、制御、および通信を含む機能の組み合わせは、複雑な電力および制御ロジック要件を持つ回路設計となります(図2)。 しかし、設計者向けに、半導体メーカーは、これらの要件などに対処する多くのソリューションを提供します。

ワイヤレス充電システムの画像

図2:ワイヤレス充電システムは、エネルギー伝達の最適化および通信の多様な要件を満たすために、すぐに複雑性が増す可能性があります。 (Texas Instrumentsの提供)

標準のソリューション

ワイヤレス充電向けの標準ですぐに使えるソリューションの登場は、ワイヤレス充電プロトコルの基本要件を指定する業界標準がますます受け入れられていることに根差しています。 ユーザーのモバイルデバイスと異なるベンダーのベースステーション間の相互運用性を促進することを意図した標準インターフェースは、それでもなお誘導充電および共振充電の2つのワイヤレス充電技術の1つに基づいて構築されています。

誘導充電は、トランスミッタとレシーバ間の厳密な位置合わせが必要ですが、一般的に、共振充電よりも高い効率を提供します。 一方、共振充電は、トランスミッタとレシーバ間の位置合わせや距離においてより大きな自由度を許容するとともに、複数のデバイスを同時に充電することができます。 ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)、パワーマターズアライアンス(PMA)、アライアンスフォーワイヤレスパワー(A4WP)を含む業界標準グループは、相互運用可能な機能作成において連携の初期段階にあります。

当初はより大きな民生用アプリケーションに焦点を当てて設計されたこれらの標準アプローチは、それでもなおウェアラブルのワイヤレス充電ソリューションの基礎としての役割を果たすことができます。 たとえば、WPCのQiなどの規格はより大きなA11 50mmトランスミッタコイルを使用しますが、設計者は、大きな電力損失を回避するために低抵抗を実現するより小さなコイルで優れた性能を得ることができます。 たとえば、TDKが提供する直径30mmのWR303050は、0.41ΩのDC抵抗を特長としており、多くのウェアラブルにより適合するフォームファクタおよび電力転送レベルを提供します。

ワイヤレス充電電力制御向けに、ToshibaのTB6865FGおよびTB6860WBGなどのデバイスは、すぐに利用可能な部品で完全な標準ベースの機能を提供します。 このクラスの他の製品と同様に、ToshibaのICは、設計の簡素化に必要な幅広い機能セットを集積し、WPC Qi準拠のワイヤレス充電システムをサポートするのに必要な外付け部品はわずか数個です(図3)。

Toshibaが提供するTB6865FGトランスミッタおよびTB6860WBGレシーバの画像

図3:Toshibaが提供するTB6865FGトランスミッタおよびTB6860WBGレシーバなどのデバイスは、標準ベースのワイヤレス充電システムの実装簡素化に必要な包括的機能セットを集積しています。 (Toshibaの提供)

TB6860WBGレシーバは、変調および制御回路を、整流器電力取得、組み込み高性能DC/DCコンバータ、構成可能リチウムイオン電池充電器回路、および保護機能と組み合わせています。 TB6865FGパワートランスミッタは、MCU、およびPWM回路、スイッチング制御、オンボードフィルタ、プリドライバ回路を含む広範なアナログ機能を集積しています。 TB6865FGは2つのセットのコイルを独立して制御できるため、ユーザーは2つのモバイルデバイスを同時に充電することができます。

Freescale Semiconductorは、32ビット56800EXコアに基づいてMWCT1000およびMWCT1101 Qiベースのトランスミッタを構築しています。 MCU機能とDSP処理能力の両方を提供するように設計されたこのプロセッサコアは、包括的な機能セットを実現するとともに、アクティブモード時の消費電流は30mA未満です。 このデバイスは、レシーバの近接配置のセンス機能を保持しながら、必要なスタンバイ電力はわずか30mWです。 電力伝達中に、Freescaleのデバイスは75%の効率を超えることができます。 MWCT1000およびMWCT1101とともに、Freescaleは、車載用アプリケーションをターゲットとするMWCT1001AおよびMWCT1003Aを提供します。

Texas Instrumentsは、BQ50xxxトランスミッタシリーズおよびBQ51xxxレシーバシリーズで多くのデバイスを提供します。 BQ51221がWPCおよびPMA規格をサポートする一方で、TIのレシーバシリーズの大半のデバイスは、WPC Qi準拠の設計をサポートするように設計されています。 Qiをターゲットとするこれらのデバイスのうち、TIのシリーズには、5V(BQ51013AおよびBQ51013B)、7V(BQ51010B)、および8V(BQ51020およびBQ51021)での安定化出力レベルを備えた5Wレシーバが含まれます。 BQ51050B(4.2V出力)およびBQ51051B(4.35V)を含むこれらのシリーズのその他製品は、リチウムイオン充電器を内蔵し、ウェアラブルにおける電源管理の包括的なアプローチを提供します。

TIが提供する、低電力アプリケーション向けに設計されたBQ51003は、ウェアラブル設計によく適した2.5Wレシーバです。 BQ51003を、TIのBQ25100などの低電力リニア充電器と組み合わせることで、設計者は、Liイオン充電管理を内蔵する完全なワイヤレス充電受信サブシステムを実装することができます。 Liイオンセル充電向けに、BQ25100は、小さなLiイオンコイン電池をサポートするための最小1mAの高精度の充電完了とともに、最小10mAまたは最大250mAの高速充電電流の正確な制御を実現します。

トランスミッタ側では、Texas InstrumentsのBQ500211AおよびBQ500212Aは、異物検出(FOD)および寄生性金属物体検出(PMOD)を提供するために、進行中の電力伝達の効率を連続してモニタする機能を含む、Qi準拠の機能のフルセットを提供します。 FODおよびPMODを提供する他に、BQ500410は、3コイルトランスミッタアレイで構築されるフリー位置決め設計をサポートします。 低電力トランスミッタ設計向けに、BQ500210は、最小8mAの電源電流で動作します。

結論

ウェアラブル向けに、ワイヤレス充電技術は、有線電源ポートにおけるサイズおよび信頼性の懸念を払拭する小型ソリューションの必要性に対処します。 かつては、ワイヤレス充電方法には、電磁理論およびRF設計技術の専門知識が必要でした。 今日、設計者は、すぐに使えるICを使用して、ワイヤレス充電機能をさらに最小のウェアラブルに容易に追加することができます。

この記事で扱っている部品の詳細については、このページにあるリンクを使用して、Digi-Keyウェブサイトの製品情報ページにアクセスしてください。

免責条項:このウェブサイト上で、さまざまな著者および/またはフォーラム参加者によって表明された意見、信念や視点は、Digi-Key Electronicsの意見、信念および視点またはDigi-Key Electronicsの公式な方針を必ずしも反映するものではありません。

著者について

Stephen Evanczuk

Stephen Evanczuk氏は、IoTを含むハードウェア、ソフトウェア、システム、アプリケーションなど幅広いトピックについて、20年以上にわたってエレクトロニクス業界および電子業界に関する記事を書いたり経験を積んできました。彼はニューロンネットワークで神経科学のPh.Dを受け、大規模に分散された安全システムとアルゴリズム加速法に関して航空宇宙産業に従事しました。現在、彼は技術や工学に関する記事を書いていないときに、認知と推薦システムへの深い学びの応用に取り組んでいます。

出版者について

Electronic Products

雑誌『Electronic Products』とElectronicProducts.comは、電子機器およびシステム設計の責任を持つ技術者や技術管理者に関連情報を提供しています。