重要な設計要件に対処するメカニカルボタンおよびスイッチ

著者 Bill Giovino

Digi-Keyの北米担当編集者 の提供

タッチスクリーンおよびメンブレンスイッチは、薄型の視覚制御パネルに有用です。しかし、アプリケーションによっては、安全性、アクセスしやすさ、高電圧または電流の切り替え、電源投入時の既知の構成、または堅牢性を設計者が重視する必要があります。このような状況では、メカニカルスイッチやボタンが多くの場合に理想的ですが、設計者は慎重に選択する必要があります。

形状、スタイル、サイズ、機能、電力性能、および機械的挙動において異なる多くの種類のメカニカルスイッチがあります。この記事では、選択パラメータや、最新のデバイスのいくつかを最適に適用する方法について説明します。

スイッチまたはボタンの選択

適切なスイッチを決定するには、システムの要件をまず決定します。アプリケーションに適したメカニカルスイッチを見つけるには、人間工学的なニーズや物理的なニーズに合ったスイッチのフォームファクタを最初に見つけます。それから、そのフォームファクタに適合する適切な電気的仕様と環境的仕様を備えたスイッチを選択します。

非常停止

安全性の分かりやすい例として、非常停止ボタンがあります。多くの産業用システムでは、読み手に分かりやすい大きな文字で「非常停止」と書かれた赤色またはオレンジ色の大きなボタンが必ず必要です。このボタンは、分かりやすくかつ容易に到達可能な位置になければならず、押し下げやすいものでなければなりません。また、スイッチング機能が完了したことを示す明確なタクタイルフィードバックが必要です。この基準を満たさないと、いくつかの産業環境で危険が伴う可能性があります。

このアプリケーションに最適なソリューションは、RAFI USALumotast 16非常停止押ボタンです。このNO(ノーマリオープン)ボタンには、馴染みのある大きな円錐形のきのこ形のボタンがあります(図1)。作業者がこのボタンを押し下げると、2つの銀コンタクトが接続され、ラッチされ、作業者が手を離しても、接触したままとなります。ボタンを開位置にリセットするには、きのこ形のヘッドをいずれかの方向に回転させます。

RAFI USAが提供するLumotast 16非常停止ボタンの画像

図1:RAFI USAのLumotast 16非常停止ボタンは取り付けやすく、標準の16.2mm実装穴に容易に適合します。(画像提供:RAFI)

Lumotast 16は最大6アンペアと250ワットを処理でき、信頼性の高い動作向けに設計されています。内部スイッチの設計では、3つの冗長コンタクトが並列に配置されているため、コンタクトの1セットが接続に失敗した場合、他の2つが信頼できる停止イベントを保証します。接続の視覚的確認を提供するために、スイッチは起動時に明るい赤色を照らすように配線されています。前面はIP67定格で、ほとんどの過酷な産業環境に適しています。

30ミリメートル(mm)のボタン径を持つLumotast 16は、産業用制御パネルに使用するのに十分な大きさです。また、ハンドヘルドの制御ボックスに実装するのに十分小型でもあります。

Lumotast 16を取り付けるには、スイッチの配置場所の下に18mmの実装深さのクリアランスがあることをまず確認します。16.2mmの実装穴を開けます。実装穴の上に、黒色で「Emergency Stop」と書かれた黄色の実装穴カラーを配置します。次に、Lumotast 16スイッチを実装穴に入れ、付属の実装リングナットを使用して固定します。底面の2つの標準オスクイックコネクトくわ形端子にワイヤ接続を行います。

破壊行為に対する耐性

メカニカル押ボタンのもう1つの重要な用途は、破壊行為からの保護です。耐破壊スイッチは、ハンマーから繰り返される一撃またはスイッチを取り外そうとする試みなど、スイッチ構造を破壊しようとする意図的な試みに耐える必要があります。

耐破壊のアプリケーション向けに、E-SwitchPVA3H2B0SS3R1 SPDT耐破壊照光式押ボタンスイッチを製造しています。これは2アンペアの36ボルトDCスイッチで、IP65定格を備えています。この製品にはRGB照光リングがあり、薄型であるため、破壊行為への高い耐性を実現しています(図2)。

E-Switchが提供する赤色照光式ベゼルを備えたPVA3の画像

図2:E-SwitchのPVA3は、赤色照光式ベゼルを備えています。この製品はパネルとほぼ同一平面に実装されるため、プロファイルの高いスイッチよりも高い耐破壊性を実現します。(画像提供:E-Switch)

このスイッチは、16mmの穴のパネルとほぼ同一平面に実装されます。取り付け位置に、下のコンタクトに接続するのに十分なクリアランスがあることを確認してください。これは、4つのコンタクトのSPDTスイッチであり、共通グランドを備えたRGB照光用の3つの追加のLEDコンタクトを有しています。これにより、パネルの下に合計8つの接続が必要になります。接続ワイヤをクランプしたり曲げたりせずに、すべての接続を簡単に行うことができるように、パネルレイアウトを計画してください。

実装パネルの厚さは1~8mmにすることができます。しかし、パネルの厚さが厚くなれば、破壊行為に対するより堅牢な保護が得られます。

アプリケーションに適したPVA3構成(モーメンタリコンタクトまたはラッチングコンタクト)を選択してください。アクチュエータをスイッチの本体に押し込んで、スイッチを起動します。スイッチの肩部と同一平面のフラットアクチュエータは、ボタンがアクティブであることを示し、高いアクチュエータはボタンが非アクティブであることを示します。

スイッチ状態の視覚的なフィードバックを提供するには、マイクロコントローラまたはプログラマブルロジックコントローラ(PLC)信号を使用して、インジケータリングで赤色、緑色、および青色LEDを照光します。カスタム色を生成するには、マイクロコントローラまたはPLCからのパルス幅変調出力にLEDを接続します。

破壊行為に対するさらなる耐性のために、スイッチは、スイッチ本体とアクチュエータ用のニッケルまたはステンレス鋼の選択肢で提供されます。

起動時の構成の読み取り

スイッチは、ユーザー制御にではなく、舞台裏での開発または構成に必要となる場合があります。EEPROMまたはフラッシュは、起動時に読み取り可能な不揮発性ストレージを提供できますが、システムに電力が適用される前に構成を視覚的に確認しなければならない場合があります。このような状況で、開発者は、Omron Electronicsが提供するA6FR-8101などの一般的な8ポジションのDIPスイッチに長年にわたって頼ってきました(図3)。

Omronが提供するA6FRシリーズ DIPスイッチの画像

図3:Omronが提供する短いアクチュエータを備えたA6FRシリーズ DIPスイッチはピアノスイッチとも呼ばれており、ソケットまたはプリント基板にスルーホール実装されます。(画像提供:Omron)

これらのDIPスイッチは、システムに電力が適用される前にシステム構成または起動パラメータを設定する必要がある時に使用されます。DIPスイッチは指で再配置できますが、ペンの先を使うとより簡単に制御できます。これらのスイッチは、短いアクチュエータまたは長いアクチュエータで入手でき、16ピンDIPソケットに実装するか、またはプリント基板に直接はんだ付けすることができます。従来のDIPスイッチ設計とは異なり、A6FRは、信頼性の高いメイク/ブレーク接続を確保するツインスライドコンタクトを使用しています。これらのDIPスイッチは24V DCで25mA定格を備えているため、デジタル回路に好適です。

高電圧と高電流の制御

場合によっては、電圧と電流を制御するのにシンプルなスイッチが必要になることがあります。ソフトメンブレンスイッチが高電力制御を実行するには、特に制御がその他システムに依存していない場合に、操作を不必要に複雑にする可能性のあるインターフェース回路が必要です。このような状況で、ロッカスイッチは、電圧と電流を安全にかつ確実に制御することができます。

たとえば、E-Switchは堅牢なRA811C1121照光式パワーロッカスイッチを製造しています(図4)。この製品は125V ACで16アンペアを処理できます。

E-Switchが提供するRA8シリーズ ロッカスイッチの画像

図4:E-SwitchのRA8シリーズ ロッカスイッチは、偶発的な短絡から2つの端子を保護するためのプラスチックセパレータを備えています。このシリーズには、色、ストレート端子または直角端子、スイッチ構成を含むさまざまなオプションがあります。(画像提供:E-Switch)

E-SwitchのRA8シリーズは、19 x 13mmの長方形の穴に実装されます。ロッカスイッチは使いやすい可能性がありますが、プロトタイピングの最も困難な部分は、ロッカスイッチをはめ込む長方形の穴を作ることかもしれません。一般的な手法は、長方形の穴の幅(この場合は13mm)よりもわずかに小さいドリルビットを使用することです。最初に長方形の穴を鉛筆で描画し、それから鉛筆の線から外に出ないように注意しながら、隣接する2つの穴をパネルに開けます。次に、金属やすりを使用して、鋭いエッジを取り除きながら長方形の穴を作ります。

RA8は、過酷な産業環境で使用することができます。動作温度範囲は-20~+85°Cで、PVCキャップ付きでIP54定格を備えています。30mΩのコンタクト抵抗は、高電圧での熱を最小限に抑えます。

高電圧スイッチを取り扱う際は、偶発的な短絡を回避するために、各接続を必ず別々に分けてください。これは、端子を物理的に離しておくためのプラスチックセパレータを備えたRA8で容易に実現できます。

ホット端子の配線はお勧めできませんが、生産環境では避けられない場合があります。RA8は、ホットワイヤ中に事故が起きる可能性を減らすことができますが、絶縁された手袋を着用するなど、すべての安全対策を取ってください。

結論

メカニカルスイッチは、高電圧の制御、セキュリティ、安全性、アクセスの容易性、またはこれらの組み合わせを含む特定の状況に適しています。メカニカルスイッチには多くのオプションがあり、適切な選択により、設計者とエンドユーザーに安心感を与えることができます。

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著者について

Bill Giovino

Bill Giovino氏は、シラキュース大学のBSEEを持つエレクトロニクスエンジニアであり、設計エンジニアからフィールドアプリケーションエンジニア、そしてテクノロジマーケティングへの飛躍に成功した数少ない人の1人です。

Billは25年以上にわたり、STMicroelectronics、Intel、Maxim Integratedなどの多くの企業のために技術的および非技術的な聴衆の前で新技術の普及を楽しんできました。STMicroelectronicsでは、マイクロコントローラ業界での初期の成功を支えました。InfineonでBillは、同社初のマイクロコントローラ設計が米国の自動車業界で勝利するように周到に準備しました。Billは、CPU Technologiesのマーケティングコンサルタントとして、多くの企業が成果の低い製品を成功事例に変えるのを手助けしてきました。

Billは、最初のフルTCP/IPスタックをマイクロコントローラに搭載するなど、モノのインターネットの早期採用者でした。Billは「教育を通じての販売」というメッセージと、オンラインで製品を宣伝するための明確でよく書かれたコミュニケーションの重要性の高まりに専心しています。彼は人気のあるLinkedIn Semiconductorのセールスアンドマーケティンググループのモデレータであり、B2Eに対する知識が豊富です。

出版者について

Digi-Keyの北米担当編集者